2021年のご挨拶+「科学と旅」の本2冊
新年あけましておめでとうございます。
2020年は(もはや言うまでもありませんが)多くの人にとって悩ましく、大変なことの多い年でした。
新しい年は、引き続き感染症対策を心掛けつつも、可能な限りフレッシュな心で、より良い年に向けて邁進したいものです。
青鹿文庫としての活動はなかなかできていませんが、今年も引き続き、マイペースでブログの更新などをしていきたいと思います。
温かい目で見守っていただけますと幸いです。
今年も皆様、よろしくお願いいたします。
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昨年は6月ごろに近況報告をさせていただきましたが、その後も青鹿文庫は相変わらずでした。
青鹿文庫店主はいくつかの仕事を兼ねているのですが、そのうちの一つが「一般的に (できるだけ) 感染症にかかっちゃいけない」系の仕事なので、世間がGoToなどでにぎやかな時分にもほとんど家から出ずに過ごしていました。
本もぱらぱら読んでいますが、やっぱり集中力がやや低下気味です。
むしろ、本棚の整理している時間が多かったかも…。
せっかくなので、以前に読んだ本を2冊ご紹介します。
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科学の世界というのは「研究室で謎の薬品を使いながら実験をひたすらしているイメージ」をもたれやすいですが、分野によってはフィールドに出る方が重要な研究もあります。
また、科学史の方では研究の歴史を知るために現地調査が重要になることも少なくありませんし、私は個人的に海外の博物館が大好きです。
外での活動がしにくい昨今においては、悩ましいところではありますが…一個人として本の中で科学の旅を楽しんでみることはできます。
この二冊は、科学の知識がつくと同時に旅情まで掻き立てられる、お気に入りの本です。
『ヨーロッパ科学史の旅』(高野義郎著、NHKブックス)は、イタリア、イギリス、ドイツなど、著名な科学者が生まれ育ったり、重要な実験をしたヨーロッパの街を紹介してくれます。
普通のガイドブックばりに写真と地図がのっているので、本当に旅にもっていきたくなる素敵な本です。
科学者のアイディアは、深く彼の世界観に根差している。そして、世界観の形成には、生まれ、育ち、学んだ土地が、その思想的風土とともに、大きな要因をなすであろうことは疑うべくもない。(P3、まえがき)
「科学者ゆかりの地をめぐる」というテーマで旅をするのが、将来の夢の一つになりました。
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『ヨーロッパ火山紀行』(小山真人著、ちくま新書)も、ヨーロッパが中心となる本ですが、こちらは文字通り「ヨーロッパにある火山を紹介するぜ!」という珍しい一冊。
地学(火山学)をかじったことのある人であれば「はっ!!」とすると思うのですが、とくにアイスランドの火山の紹介が多いです。
このような事情から、アイスランドは本来的に火山活動や地殻変動と縁が切れない場所であり、じじつ島全体が新旧さまざまの火山体の折り重なりによって作られている。また、地殻の拡大を反映した生々しい割れ目そのものや、割れ目と密接に関連した火山噴火の証拠を見ることができる。(P99-100)
アイスランドには足を踏み入れたことがありませんが、雄大な景色が目に浮かぶようです。
行ったことのない地への興味を掻き立てられるのは、読書の醍醐味の一つでしょう。
もちろん、火山の基本知識もしっかり学ぶことができます。
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今はまだ、気軽に旅行のできる状況にないのが事実です。
せめて本の中だけでも非日常に思いをはせ、いつか必ずもどってくる自由な時間のために、気持ちを鼓舞し続けたいと思います。
みなさまどうぞ、本年も体に気を付けてお過ごしください。それでは。
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