旅の記録。国立科学博物館+本屋巡り@東京
青鹿文庫店主の現在の仕事は非常に不規則で、まれに1~2週間程度業務がない時があります。さる10月のはじめ、そんな休みを利用して大都会東京へ行ってきました。
目的は、国立科学博物館の特別展+本屋巡り(+おいしいコーヒー探し)。
2019年10月まで開催されていた科博の特別展といえば…皆さんもちろんご存知ですよね?
例の『恐竜博2019』でした!
私が訪れたのは10月1日というド平日だったのですが…上の写真、後ろにたくさんの人がいるのが見えますか?これ、開場前(8時半くらい)です。
展示のようすを少しご紹介します↓
会場に入って初めに鎮座しているのが、今回の目玉の一つであるデイノニクスの後ろ脚の骨格標本。これはホロタイプ、つまり学術論文を書く際の基準となった標本で、世界に一つしかないもので、とんでもなく貴重なものです。しかも本物。すごい。
専門で警備員つけていいレベルだと思うのですが、いらっしゃいませんでした。
アクリルの円筒の中に展示されており、さまざまな角度から眺められるのがうれしい。
それにしても、この爪。私だったら「あ、つけまちがえちゃった」と考えますね、確実に。
本展の二つ目の目玉、デイノケイルスの全身復元骨格です(世界初公開)。
もともと、ティラノやトリケラみたいなわかりやすい骨格よりも、「どうしてそうなったの…?」と尋ねたくなるような変な骨格が好きなので、これには心をくすぐられました。
なんでその腕。こわいわ。
見れば見るほどよくわからなくなってくる…好き…。
そして第三の目玉。北海道のむかわ町で発掘され、つい先ごろ新属新種として登録、正式に学名がついたカムイサウルスです。
小林快次先生が各種メディアでしばしば紹介されていたので、ずっと本物が見たかったのです。カモノハシ的お口、かわいいですね。
↓は売店近くにあった先生の足跡。
他にも数々の貴重な標本が展示され、わくわくのやまない数時間でした。
日本ではあまり化石が出ないのにも関わらず、日本人の恐竜に対する熱心さはちょっと異常、みたいなことが金子隆一さんの本に書いてあったと思います(知られざる日本の恐竜文化/祥伝社新書)。まったくその通り。なんで、普段はそれほど恐竜の情報に接しないのに、こういう時には興奮が止まらないのでしょうかね。あらためて恐竜・古生物関係の蔵書を整理して、勉強しなおしてみようと思います。
さて、企画展の後には常設展も見てきました。
もちろん科博には常設展示にも立派な恐竜の標本があります。
ここのティラノはしゃがんでる(獲物を待ち伏せしているところ)。
年一回は来ている科博ですが、やっぱり楽しいですね!5時間くらいいました。
博物館を満喫した後は、東京各所の本屋巡り。20か所ほど。
カバンが重くなる一方でしたが、満喫できたので良かったです。
戦利品(一部)。
『微生物の狩人』(上下巻)は、今回一番の大収穫です。新品でほしかったのですが絶版。なかなか見つからなかったところを新品定価で買えました。SHIBUYA PUBLISHING AND BOOKSELLER のお姉さん、ありがとう…!
欲求を満たしまくった旅行だったわけですが、楽しい反面、東京という”何でもある街”について考えずにはいられませんでした。
どこへ行くにも電車かバスで事足りる。
駅には大きな本屋があり、少し歩けばおしゃれなカフェで美味しいコーヒーが飲める。
子どものころから博物館で貴重な展示品に触れあえる。
これって、文化レベルとか教育水準に反映されますよね。
若い人がおしゃれなお店や刺激を求めて東京などの都会に行くのはよくある話ですが、子どもにレベルの高い教育環境を与えたいと考える親も、便利な交通機関の元で暮らしたいお年寄りも、みんな最終的には都会を選ぶことになると思うんです。
新潟の田舎に暮らす身としては、羨ましいような悔しいような、変な気持ちになる面がありました(ようは悔しいんですね)。
…う~ん、考えすぎかもしれません。
そんな気持ちを抱えつつも、やっぱりまた東京へ遊びに行きたいな~と思ってしまう青鹿文庫なのでした。
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