2018.6.17「一箱古本市in現代市」に参加した話
2018年6月17日日曜日。
新潟県内で最大級の規模を誇る一箱古本市『一箱古本市in現代市』が開催された。
これまでずっと陰から見守り続け、開催終了後にたくさんの感想やレポートを見ては「行きたかった!!」と駄々をこねてきた、わたしにとってはあこがれの古本市…。
この一大イベントに、とうとう初参加・初出店をしてしまったのである。
基本的におしとやかで内向的で控えめで人見知りな性格の私である。チンアナゴみたいなものだ。気持ちも体も、半分以上は砂の中。
普段からブイブイ言わせているコミュニケーションおばけの方々と違い、イベントへの参加というのは、このチンアナゴにとって越佐海峡を単独横断するくらいの難題だ。
お客さんとして遊びに行ったこともない。知り合いも一人もいない。「一箱古本市」というイベント自体は2回目だが、対面式での販売は初めて。
心が折れるかもしれないな…などと不安を抱えたまま迎えた当日。梅雨時期で雨も心配されたが、さわやかに晴れわたる一日になった。
9時前に現地に到着し、近くのコインパーキングに駐車。会場となる通りに荷物が広げられる時間になるまで、邪魔にならないように待つ。
周りの店主さんも続々集まり始めるが、緊張しているチンアナゴは声をかけられないのだ。
10時のイベント開始前から多くの人が会場をうろうろしている。地元では夏祭りか選挙の時くらいしか見られないような光景。都会すごい。
いよいよスタート時刻となると、どんどんとお客さんが増えていく。
それぞれが好みの店の前で立ち止まり、吟味し、値段交渉をしたり、店主と好みの作家の話で盛り上がったりしているようだ。
実はこれまでに、普通のフリーマーケットで古本を販売したことがある。が、フリーマーケットにくるお客さんは「安い雑貨や服、日用品」を求めてくる人がほとんどのようで、本を買っていく人はほとんどいなかった(品ぞろえの問題も、たぶんある)。
『一箱古本市』が違うのは、やってくるお客さんがみな「本を見に来ている」というところ。こだわりを持って選びに選んだ古本を扱う人が50組くらいいて、「好きな本があるかも」「こういう本がほしい」という志向でくる人たちがお客さん。
店主もお客も、みんなが楽しそうで、穏やかな中にも活気があって…居心地が良いのか長い時間滞在する人もいた。
「(ジャンルは違えど)本という同じものを好きな人間がたくさんいる空間」からは、ライブとか、デモ行進とか、同人誌即売会とかと同じような団結力を感じる(気がした)。
そして例にもれず、私にも居心地の良い空間だったのである。
さて、当青鹿文庫(あおししぶんこ)の箱であるが、好みが豪快に偏った編成を組んだ。
科学系、生物系の本、硬くなりすぎないようにナショナルジオグラフィック、図鑑、あとすこしのミステリ。
文学はそれほど詳しくないし、ハイソサエティな方々からは見向きもされないだろうと思っていたのだが、思っていたよりも多くの人がのぞいてくれた。
箱はむかし某学校で廃棄処分寸前だったものをいただいた、標本を収納したりするための箱。
味があるのだが重たいし、他の店主さんの箱のように大きくない。本が出ていったら補充できるよう、少し余分に持って行ったのは正解だったとおもう。
そして隠し玉の『ミクロスコピア』。…この雑誌については後日改めて。
このようなスタイルの古本市は初めてなので比較しようもないのだが、はじめ自分が考えていたよりは売れました。
イベント終了後はスタッフ・店主皆さまが参加する打ち上げに参加。北書店での楽しいトーク。本をうったばかりなのに本がほしい。
しまいには南陀楼綾繁先生から、身に余る賞をいただいてしまい、熱に浮かされたまま打ち上げ会場を後にしたチンアナゴ。
帰りの車内ではすでに『次はこういうディスプレイにして、●●社の本をおいて…』などと妄想がたぎっていたが、次に参加できるのはいつなのだろうか…。
運営スタッフの皆様、店主の皆様、本当に楽しい一日でした。また皆様と相見まえる日がくるのを楽しみにしております。
青鹿文庫にて本をご購入・ご高覧いただいた皆様、誠にありがとうございました。選りすぐりの精鋭たちです。ぜひ大切にしてあげてくださいませ。
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